小石ヶ浜水門(こいしがはますいもん)

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大正時代に猪苗代湖の水の利用を巡って郡山電気会社と猪苗代水力電気会社が対立しました。沼上発電所を運営する郡山電気会社は安積疏水を使って東へ、猪苗代第一・第二発電所を運営する猪苗代水力電気会社は十六橋水門から日橋川を利用し西へ流す水利権争いです。
その後、郡山電気会社は茨城電力を合併し東部電力となり、猪苗代水力電気会社は東京電燈に吸収合併されました。昭和15年以降は戦時下で国家統制となり、東京電燈に「猪苗代の水の引用および水路開鑿並付属工作物の臨時設置」許可がおり、猪苗代湖の利用水深を96cm(3尺2寸)から3.24m(10尺7寸)までとする「湖面低下工事」が開始されます。これに伴い、1941年(昭和16年)から工事期間3ヶ年計画で猪苗代第一発電所の取入口に直接取水する工事がはじまり、翌年1月に「小石ヶ浜水門」が完成しています。取入口まで、開渠およびトンネル延長1,530メートルを建設しました。
※「湖面低下工事」によって安積疏水は自然流下による取水が困難になるため、
山潟取入口に取水ポンプ(電気揚水機)が1941年(昭和16年)1月に設置されています。

↑「小石ヶ浜水門 水利使用標識」
戸ノ口堰第一発電所での水力発電用として、最大毎秒2.730立方メートルの取水量が認められています。また、戸ノ口堰土地改良区の灌漑用水と、会津若松市の上水道用水・滝沢浄水場、河東町の上水道用水についても記載されています。
日橋川は下流で阿賀野川へ合流して、新潟県に入ると阿賀川と名称を変更して日本海に注ぐので、管轄が「国土交通省北陸地方整備局 阿賀川河川事務所」となっています。

↑茂みに囲まれた先に、小石ヶ浜水門があります。

↑あぶない!!の標識

↑敷地はフェンスで囲まれて、当然立ち入り禁止です。

↑入口横に立つ「あぶない!! 」の標識。

↑敷地内にも「水利使用標識」があります。
こちらは、下流の猪苗代第一発電所への「水利使用標識です。水力発電のための取水量は、年間通じて毎秒67.50立方メートルです。
安積疏水の沼上・竹之内・丸守発電所は取水が期間限定なので、大きな違いがあります。

↑敷地の先には猪苗代湖が見えます。十六橋水門はここから北へ直線で1キロメートルほどの所にあります。

↑3門を持つ小石ヶ浜水門。常に、広い水路にはなみなみと流れています。

↑水路を流れるのはもちろん猪苗代湖の水です。綺麗ですね。

↑600メートル程湖岸に沿って南に行くと、小石ヶ浜オートキャンプ場があります。

↑水路は500メートルほど下流で暗渠となり、猪苗代第一発電所まで続きます。

↑対岸からは深い薮の先に見えます。

↑来年(2022年)で80歳ををむかえる小石ヶ浜水門。なかなか重厚感があります。福島県道376号(湖南湊線)からチラッと見えますが、特に案内板もありません。小石浜水門。

↑下流にある猪苗代第二発電所。1918 年(大正7年)に運用開始している。赤レンガの外壁がを生かした建物は、猪苗代第一発電所と同じく辰野金吾(たつの きんご)が監修しています。※東京駅は特に有名ですね。